体外受精は難治性の不妊症の夫婦にとってすばらしい成果を示し、多くの方々に幸せをもたらしています。年間日本で生まれる赤ちゃんは100万人前後と減少していますが、今はその1%の1万人前後の赤ちゃんが体外受精で妊娠し生まれているのです。
当院での妊娠率は移植あたり約25%で、分娩にまで至る率は約20%です。以前はHMGの注射を多くして、たくさん採卵する刺激周期の場合が多かったのですが、当院では平成17年より自然周期の採卵法をとりいれております。
しかし、妊娠を人工的に操作することに批判的な意見があることも事実です。体外受精はまだまだ研究・開発途上の技術である面もたしかで、妊娠率の向上、流産率の低下をめざして、各国で日夜、研究工夫がすすめられている最中なのです。
人工的操作に対し、よく心配されるのは、奇形発生率が高くなるのではないかという点です。ふつうの妊娠では、異常がある場合は、ほとんどが、妊娠初期に流産というかたちで自然淘汰されてしまいます。体外受精についても、この自然淘汰の現象は、そっくり同じように考えられてきました。異常のある精子と卵では、受精できないことがふつうです。たとえ受精しても、その後の正常な発育は行われません。
しかし自然の妊娠とまったく同じとはいいがたいだけに、慎重な対応が常に必要でしょう。
癌治療など先端医療は、大学や大病院が中心となっていましたが、体外受精を中心とした不妊治療は、個人クリニックが主流であり、そのためたくさんの施設で実施されるようになってきてます。しかしながら費用は全て自費であり、20〜80万円(1周期あたり)くらいの差が施設により存在し、どこで治療をおこなうかを選ぶことは大切なことでもあり、難しい選択でもあります。最近では所得制限はあるものの、年間10万円の公費助成がされるようになったことは喜ばしいことです。
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