体外受精の実際
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体外受精の原理をかんたんにいいますと、排卵直前に、成熟卵を膣から挿入した針で採取し、夫の精子を加えて体外の培養プレート上で受精させ、受精卵が2〜4細胞に分割したら、子宮にもどして着床させるということになります。
体外受精は開発途上の技術であるためにすべての病院で、同じように行われているわけではありませんが、その代表的な方法を説明しましょう。
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■卵胞期の管理
【自然周期(クロミフェン周期)】
生理3日目から、クロミフェンと少量のHMG製剤を使用し、体内で卵を数個育てます。 排卵時期が近づいたらスプレキュア、イトレリンなどの点鼻薬(GnRHa)で、排卵をおこします。
これは薬を極力少なくして、身体にやさしい体外受精法です。
【カウフマン療法】
排卵誘発剤の使用過多等により、翌周期以降の生理周期が乱れ、良好卵子採取が難しくなることがあります。
その時には、カウフマン療法により、正常な周期にもどし、良好な卵をとれるよう準備します。
【刺激周期(HMG周期)】
下垂体のホルモンの欠乏など、クロミフェン周期では採卵の難しい方の場合などは、 従来のHMG注射による採卵法もおこないます。
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| ■卵を採取する
成熟したよい卵を多数採取することが、まず体外受精の成功のカギをにぎっていますから、
ほとんどの場合は、排卵誘発剤(HMGなど)を注射し、多数の卵胞成熟をおこします。 最近では、勝手に排卵しないように、ナサニールやスプレキュアという薬剤をつかって調節
することが一般的となりました。 膣からみた超音波画像で卵胞が大きくなるのを観察しながら、尿中、血中のホルモンを測定し、
あるレベルに達すると、ナサニールやスプレキュアの投与を中止し、 HCGという排卵させるための注射をうちます。
普通は、HCG注射後34〜38時間で採卵します。 採卵は、膣からおこなうことが普通となりました。
画像を見ながら、特殊な針で、卵胞を穿刺して、卵胞液とともに卵を採取します。
これらが、比較的簡単な麻酔でできるようになったために、外来で採卵を行っている病院が普通です。
形のよい成熟した卵が多数ととれると妊娠させる条件としては良好です。
採取した卵は成熟を完成させるために、培養液中で2〜6時間培養します。
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| ■精子の調整
約1週間の禁欲後の条件のよい精子を採り、これをしばらく35℃で放置しておくと、ドロっとした精液がサラっとした液体にかわり、成熟がすすみます。
これに培養液を加えて、遠心分離し、精子を洗浄し濃縮します。 ぺーコールやその類似物を用い、精子の状態による細胞密度(比重)のちがいを利用して、元気のよい、直進運動性のある精子をあつめる場合もあります。
最終的に1mlの中に10万〜50万の精子数になるように調整します。 あまり高濃度すぎても、多精子受精になったりするからです。
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| ■卵を精子に加える
卵を精子に加え、24時間培養します。 培養器の内部は、37℃、窒素90%、酸素5%、炭酸ガス5%の状態におかれることが多いようです。
24時間後に、新しい培養液に移しかえます。 この時すでに受精した卵には、変化がおこっており、細胞が分割をはじめていることがあります。
さらに24時間後には、2〜4細胞に分裂しています。
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| ■胚を移植する
分割しない卵(未受精卵)と分割した卵(胚)をよく調べます。 2〜8細胞に分割した卵を細いチューブをつかって、静かに、子宮腔内に移植します。
細胞の形がゆがんでいたり、不規則な分割をおこした卵では、移植しても着床しません。
形態的にもよい状態の4分割(4細胞期胚)以上の胚が4個以上あると、
妊娠の条件はずっとよくなります。
移植後 6〜24時間の安静を保ったあと退院します。 当院では、現在数分〜60分の安静を保った後に帰宅しています。
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| ■受精卵を凍結保存する
体外受精をした場合、たくさんの受精卵ができることがあります。 多胎妊娠を防ぐためにも、子宮に戻す受精卵は少なくし、余分の受精卵を凍結保存しておき、次周期以後の母体が妊娠するのに最もよい状態のときに解凍して子宮に戻すことがおこなわれるようになりました。
排卵をおこすために大量の薬剤をつかっている周期の子宮より、自然の周期の方が、子宮の着床率がよいという研究もあり、今後は、凍結受精卵をつくり、利用されることが増えそうです。
しかし受精卵は、生命という考えから、保存をめぐっていろいろな倫理的問題がおこりうるので、慎重な対応が必要となっています。
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